企画担当 阪下 彰企画担当 阪下 彰

企画担当

阪下 彰

プロジェクト立ち上げ時からの主力メンバー。

カシオが誇る先進の小型化技術を注入

私はグローバルな販売戦略を企画するマーケティングセクションに所属しており、Priviaは本当の初期、企画の段階から参加しています。当時カシオでは、すでに電子ピアノを製造・販売していたのですが、よりスマートでもっと身近に演奏が楽しめる、それまでにないコンパクトな電子ピアノを創ろうと立ち上がったのが、Priviaのプロジェクトでした。その潜在的なニーズは、市場の調査からも高まっているものと予測されていましたし、さらに、商品の小型化というのはカシオの得意とする技術のひとつで、電卓、腕時計、電子辞書などさまざまな商品で着実な成果を上げていたのです。構想から発売まで約2年半の時間がかかりましたが、初号機を世に送り出した時の市場や業界の大きな反応は、今でも忘れられない思い出ですね。

カシオが誇る先進の小型化技術を注入

まだピアノを弾いたことのない方々へ

Priviaは、まったく新しいコンセプトから生まれた商品でしたから、その広告・宣伝方法においても既成の概念にとらわれないように心がけました。そこで先ず打った手が、当時楽器としては珍しかった新聞1ページをフルに使ったカラー広告です。登場感やインパクトの大きさも狙いでしたが、音楽雑誌だけでは、楽器が憧れの段階でとまっている潜在的なお客様までは届かないという判断がありました。またプロのピアニストと契約し、ワールドワイドなプロモーションも行うことで、既存のユーザーへも厚くアプローチしました。おかげさまで順調なスタートを切ることができ、Privia発売から1年と少しの間に日本国内の電子ピアノ販売総数は2桁アップを実現しました。これは、Priviaのご購入が他機種からの買い替えだけではなく、新たなユーザー層を開拓できたことのひとつの表れだったと思っています。

カシオが誇る先進の小型化技術を注入

名前の由来は、“プライベートピアノ”

商品の企画を担当してきた立場から考えますと、Priviaが幅広い方々に受け入れていただいている大きな理由のひとつに、個性豊かなラインアップがあるのではないかと思っています。10年前のデビューの段階でも、スタンダードな「PX-100」、ステージユースの機能を充実させた「PX-300」、さらに鍵盤が光って演奏をリードしてくれる「PX-500L」を同時に発表し、できるだけ幅広い層のユーザーへアプローチをかけました。そもそも、Priviaという名前は“プライベートピアノ” から生まれた造語です。それまでリビングに構えていたピアノを、自分の部屋でパーソナルに楽しめるものへと進化させたい。例えば、テレビなどの家電製品が徐々に家庭の各部屋へと進出していったように、より身近なものにしたいという想いが込められているわけですね。ピアノが好きな皆様に、気になる1台を、好きな1台をきっと見つけていただけるPriviaならではのラインアップは、その名に込められた想いの実現に、確かな役割を果たしてくれていると思っています。

名前の由来は、“プライベートピアノ”

これまでの進化。これからの進化

この10年間で、Priviaはさまざまな進化を遂げてきました。例えば、時間の経過による音の変化を再現したり、より自然な弾き心地を実現する3センサー方式を採用するなど、革新的なスタイルとともに、楽器としての基本性能もたゆまず追求してきました。これからもこの姿勢が変わることはありませんが、Priviaにはさらに、Priviaらしい進化が必要だと思っています。世の中にまだ存在しない機能、新たな利用シーンの創造を、ぜひ実現させたいのです。カシオには、それだけの発想力も技術力もありますから。あくまで夢のお話しですが、移動中だけコンパクトになってどこへでも持ち運べるピアノとか、あったら面白いと思いますよね。そういった新しい喜びや驚きを、ぜひユーザーの皆様へお届けしたいと考えています。

名前の由来は、“プライベートピアノ”

10周年を迎えての新たなチャレンジ

10周年を迎えた今年、新たなモデルも発売されましたが、開発の際に大切にしたことは「オンリーワンのものをつくろう」という考えでした。節目の年だからこそ、あらためてPriviaのコンセプトに立ち返って、既存の商品にない新しい価値観の提案を目指したわけです。そこから具現化されたのが、赤と青のメタリックカラーをまとったPX-A100シリーズ、そしてかつてないナチュラルな木目模様を採用したPX-A800の2モデルです。PX-A100は、当初7色のアイデアがありましたが、検討の結果、“動”をイメージした赤と、“静”をイメージした青の2色を選びました。またPX-A800の自然な木目は、店頭にならんでも他モデルの木目と明らかに一線を画す個性的なデザインに仕上がっています。また機能面でいちばん特色があるのは、世界の有名なコンサートホール・教会・野外スタジアムなど10種類の響きのイメージを再現する「ホールシミュレーター」でしょう。Priviaは元々カシオが誇る高性能LSIを積んでいますので、この強みを活用して、ユーザーの憧れを叶えるような機能をぜひ持たせたいと考えたのです。結果として、オンリーワンの価値を持つモデルを実現できたと思っています。